2017年03月23日

[お知らせ]糸魚川大火から学ぶ、火事に負けない木造建築


無料セミナー
糸魚川大火から学ぶ、火事に負けない木造建築
話し手:安井 昇(桜設計集団)

 昨年12月22日(木)に新潟県糸魚川市で発生した大火では、改めて市街地火災に
対する木造建築物のあり方が問われる結果となりました。市街地の中で木材をあわら
しながら火事にも負けない建物を実現するためには、火災とはどのような災害である
かを理解し、建物をつくる必要があります。
 そこで、糸魚川大火を事例として「市街地における建築の木と火のいい関係」に
ついて一緒に考える会を開きたいと思います。

IMGP4914.JPG


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
日時:2017年4月14日(金)
18時〜 セミナー(話し手:安井 昇) / 19時〜 懇親会

場所:桜設計集団 京都事務所
   京都府京都市中京区二条寺町東入榎木町77-1 延寿堂ビル5階

参加費:セミナー無料、懇親会 2,000円/人
※セミナー、懇親会どちらかだけの参加も可

申込方法:
ご参加を希望される方は、
@セミナー・懇親会参加、Aセミナー参加、B懇親会参加
のいずれかを明記の上、2017年4月12日(水)17時までに
info@teamsakura.jp(担当:加來)までご連絡ください。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ぜひお気軽にお申し込みください。

平成29年3月23日
桜設計集団(防火チーム)


posted by TEAM SAKURA at 16:47| 木造防火

2017年03月17日

防火ふぇ2017 第1弾


Boucafe-no1.jpg



昨年ご好評頂きました無料相談会・防火ふぇを、今年も京都事務所にて開催します!!
今年の初回は、4月14日(金)です。

実務のご相談がある方、木造防火が気になる方、火育に興味のある方、セミナー等の
話を個別にもう一度詳しく聞きたい!! 方などなど、どなたでもお申し込み頂けます。


■■■防火ふぇ in 京都■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□□□■■■■■■■■
日時:2017年4月14日(金)(予約制・全3組(先着順)) 
   @13:00〜14:00、A14:30〜15:30、B16:00〜17:00
場所:桜設計集団一級建築士事務所 京都事務所
   京都府京都市中京区二条寺町東入榎木町77-1 延寿堂ビル5階
   ※2017年1月に移転しました。

相談料:無料(1組につき1時間程度)
相談内容:木造建築の防耐火に関することなんでも
  (防火、準耐火、耐火建築物、内装制限、火育、焼きスギ板のつくり方 等々)
申込方法
メールまたはFAXにて、ご希望の参加時間をご記入の上、ご連絡下さい。
メールアドレス:info@teamsakura.jp / FAX:03-5365-4166

留意事項
・防火ふぇへのご参加は、事前にお申込ください。
・相談時間は、参加者1組につき1時間程度を目安とさせて頂きます。
・お申込は定員に達した時点で締め切らせて頂きます。予めご了承ください。
■■■■■□□□□□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

防火ふぇとは?
http://teamsakura.sblo.jp/article/176887394.html

ぜひお気軽にお申し込みください。


平成29年3月17日
桜設計集団(防火チーム)
安井 昇 加來千紘

posted by TEAM SAKURA at 10:25| 木造防火

2016年12月31日

糸魚川大火被害を自分たちで見てきて考えたこと

要点
・ 全国どこにでもある「裸木造密集市街地」での火災
・ 準防火地域に指定された後もあまり更新が進んでいない町並み
・ 「消防力」は特別低いわけではない地方都市
・ 「強風下」での延焼(飛び火・火炎伸展)
・ 開口部からの延焼
・ 延焼遮断に貢献した準耐火建築物、耐火建築物、土蔵造
・ 準防火地域に必要なのは燃え抜けにくい建物であり木造でも可能


DSC_1381.jpg

はじめに
 平成28年12月22日(木)午前10:30頃、どこの街にもあるごく普通の中華料理店から出火した火災は、強風にあおられて、約150棟、40,000uが消失する市街地火災となりました。隣県からの応援も含めて、約1,000名による消火活動により、約11時間後に鎮圧、約30時間後に鎮火しました。この大火は、全国でみてもここ20年で最大規模、糸魚川では約80年振りであり、住民、消防、建築関係者の誰も経験したことがない規模の火災でした。
 木造建築が密集していた地域であり、当日、何が起こったのかを知るために、翌日の23日(金・祝)と警察・消防による現場検証のための規制線がとれた26日(月)に糸魚川へ向かいました。
 新聞やテレビではコメンテーターの方々がそれぞれの立場でコメントされており、「木造密集市街地」「強風」「消防力」の3つがポイントだったとされています。このうち、「強風」は私たちがコントロールできるものではありません。また、「消防力」も糸魚川市が特別低かったとは思えず、いつ起こるかわからない大火のために現状の消防力を増強するのも現実ではないと思います。そうなると、「木造密集市街地」をどうするかがポイントではないかと思います。
 「木造密集市街地」であったため燃え広がったとのコメントも見受けられますが、木造という言葉はとても広い意味で使われており、ここで言われているのは防火的な措置をほとんどしていない“裸木造”ではないかと思います。

大火が起こった地域は準防火地域
 地震と異なり火災はほとんどの人が経験したことがない災害ですが、建築基準法では、防火規制は、構造(耐震)規制と並んで重要なものとなっています。今回、大火が起こった地域は準防火地域の規制がかかっています。市街地火災時に建物間の延焼速度を緩慢にするために、2階建て住宅では延焼のおそれのある部分(隣地境界線及び道路中心線から1階は3m以内、2階以上は5m以内の部分)の外壁・軒裏は防火構造、窓・玄関戸など外壁開口部は防火設備(アルミ防火戸や鋼製シャッター等)が求められます。また、3階建て住宅は準耐火建築物とすることが基本となっています(準防木三戸などの措置もある)。ただ、大火があった地域に、準防火地域の規制がかかったのが昭和35年であり、それ以前に建築された建物(裸木造)の割合が多かったのではないかと思います。事実、燃えなかった周辺市街地の90棟の建物を外観調査したところ、敷地一杯に建っているにもかかわらず、約7割の建物の外壁開口部に防火設備がなく、軒裏も防火措置がされていない裸木造と思われる建物でした。すなわち、今回、火災が起こった市街地は「木造密集市街地」というよりは、「裸木造密集市街地」といったほうが正確ではないかと思います。

法令通り更新が進んだ町並みであれば
 もし、準防火地域に要求される性能通り、2階建ては外壁・軒裏を防火構造、3階建ては準耐火建築物(ともに延焼のおそれのある部分の外壁開口部は防火設備)としていればどうなっていたでしょうか。準防火地域の指定は、市街地火災時の建物間の延焼速度を緩慢にするために、燃え抜けにくい建物(すなわち延焼しにくい建物)で街を構成することを目的にしています。今回ほどの強風下では火炎が風にあおられて伸展するので、どの程度効果があるかはよくわかりませんが、受害側が一定時間燃え抜けない外周部材であれば、少なくとも今回ほどの速度で延焼することはなかったのではないかと思います。出火店舗の裏側(東側)には、道路幅約3mの両側に裸木造が密集している地域が広がっており、この地域の建物間の延焼が緩慢になり、既存の消防力で対処できていれば結果は変わったのではないかと思います。ちなみに、この地域に3階建ての準耐火建築物が建っており、その建物は延焼をまぬがれていました(上記写真の右側の建物)。
 このように既存の「消防力」で対処できる可能性を高めるためにも、市街地の建物が建築基準法レベルに更新されることがまずは大切なことではないかと思います。これは新築でも改修でも同じです。改修では、外壁・軒裏・開口部を改修するのは費用もかかりなかなか難しいと言われます。しかし、既存の建物の外壁を調査すると、古いものは土塗り壁(40〜95mm厚)、比較的新しいものではモルタル20mmや窯業系サイディング14mmにせっこうボード9mmなど、防火構造以上の性能をすでに持っている建物も多そうなため、残る開口部と軒裏が改修のポイントになると思います。開口部は防火戸に取り替えるか、難しい場合は、ガラスだけでも防火ガラス(網入りガラスや耐熱強化ガラス等)にする。軒裏が木材あらわしの場合は、少し手を入れれば防火構造以上の燃え抜け抑制性能を有する防火措置が加熱実験で確認されており外観意匠を変えずに防火性能を向上させることも可能です(具体的には次回以降に紹介します)。
 このように、建物を防火的にすることは火災が大きくなった後に建物間の延焼をくいとめることにつながりますが、それ以前の出火防止、早期発見、初期消火(必ず3点セット)に住民が意識して取り組むことが、もっとも重要であることはいうまでもありません。

法令通りにつくれば延焼しないのか
 さきほども述べたとおり、準防火地域は市街地火災の延焼速度を緩慢にするために、建物に一定の燃え抜け抑制性能を求めた地域です。2階建ての外壁・軒裏に求められる防火構造は30分、3階建てに求められる準耐火構造は、45分(屋根は30分)の延焼防止です。30分の延焼防止性能があれば隣家が激しく燃えている時間をやり過ごせると想定されていますが、外壁開口部の防火設備だけはどのような建物でも20分の延焼防止性能です。今回も建築基準法の規定に沿って建築された建物へ延焼していますが、おそらく開口部から室内へ延焼したのではないかと予想します。これは鉄筋コンクリート造も例外ではなく、開口部から室内へ延焼した建物が多数ありました。ただ、延焼速度は一時的に小さくなったと思います。一方、延焼した市街地の中に、一棟だけ延焼をまぬがれ、ほぼ無傷で残った木造2階建て住宅がありました。敷地の東南北側に大きな空地があったことと、約2m離れて隣家が建っていた西側の開口部が防火設備でかつ小さかったことが幸いしたのではないかと思います。特に風上の南側の空地が大きく、さらに空地の先にあった酒蔵の土蔵造の建物が最後まで崩壊せずに建物形状を保ったため風上からの飛び火をブロックしてくれたのではないかと思います。
 外壁・軒裏を燃え抜けにくくし、外壁開口部から延焼しにくように、隣家と距離が近い場合は窓を小さくしたり、隣家の窓と向かいあわないようにずらしたり、また、可能な限り距離をとることが延焼を抑制または遅延するポイントといえるでしょう。

飛び火対策はどうすればよいか
 外壁・軒裏・開口部を強化して、隣家からの延焼を抑制できても、今回のような強風下では、飛び火が大きな課題になります。事実、強風にあおられて、燃えている部材(野地板などでしょうか)が火の玉のように飛んでいたとの証言もあり、これが屋根に着床し屋根材の隙間から野地板に延焼したり、金属板裏面の温度上昇により野地板に着火したと考えられます。建築基準法では、準防火地域の建築物の屋根は不燃材料で葺く(告示)または飛び火の大臣認定を取得したもので葺くことになっています。ほとんどの建物がこれには適合していたと思います。ただ、飛び火の大臣認定のための性能評価試験では、大きな火種と強風下を想定して試験方法が考えられて性能検証されていますが、告示で規定されている瓦や金属板はこれまであまり実験的な検討がされていないのが実状と思います。今回、もしこれらが課題であったのであれば、今後、これらを解決するための技術開発が必要ではないでしょうか。

おわりに
 今後、研究機関や学会等で調査が行われ、課題の抽出や対応策の検討がおこなわれると思います。今回、大火が起こった市街地は、特別なものではなく、全国に多数ある木造密集市街地と同じような建物構成・配置と道路状況(道路幅が狭い)になっています。今回の教訓を他に活かせるように情報の公開・共有が重要と思います。
 最後に、再興にあたってですが、準防火地域に必要なのは、防火構造の建物、準耐火建築物、耐火建築物など延焼を抑制または遅延する建物です。現在の技術を持ってすれば、それらは鉄筋コンクリート造や鉄骨造だけでなく木造でもつくることができます。特に、木材を太く・厚く使えば、あらわしにしながら防火構造や準耐火構造とすることもできます。すなわち、火災前の雁木や木材あらわし軒裏、真壁造の外壁をあきらめることなく、防耐火性能を向上することも可能であり、伝統的な風情ある町並みと防災の両立は可能と思います。
 是非、地元の方々に既存の防耐火技術を知っていただき、復興に活かしていただければと思います。私たちも木造防耐火の専門家として協力できることは積極的にさせていただければと思います。

 一日も早い糸魚川の復興を心よりお祈り申し上げます。

平成28年12月31日
桜設計集団 安井昇
posted by TEAM SAKURA at 14:13| 木造防火

2016年12月27日

[お知らせ]糸魚川市街地火災の被害状況速報の会


IMGP5316.JPG

 12月22日(木)に新潟・JR糸魚川駅前の市街地で起こった大規模火災について、
弊所で独自に行った現地視察(23日及び26日)の速報をお伝えする会を開きたい
と思います。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
日時:2017年1月6日(金)17時〜18時
場所:桜設計集団 代々木事務所
   東京都渋谷区代々木2-21-10 代々木パレス501
参加費無料
参加人数把握のため、ご参加を希望される方は、1月5日(木)17時までに
 info@teamsakura.jp(担当:加來)までご連絡ください。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 なお速報会の後、意見交換の場(任意参加/軽食付き)を予定しておりますので、
ぜひあわせてご参加ください。

2016年12月27日
桜設計集団(防火チーム)
posted by TEAM SAKURA at 11:52| 木造防火

2016年09月15日

防火ふぇ通信 第1号

Boucafe-no1.jpg

2016年4月より、これまで京都事務所にて2回の“防火ふぇ”を行いました。
ご好評頂き、今後も精力的に続けるべく随時計画しておりますが、
ご相談内容の中には、予てより設計者の方からよく受ける質問もあります。

そこで、今後は防火ふぇにてご相談のあった内容の中から、
広く知って頂きたい木造防耐火のトピックについて“防火ふぇ通信”をつくり、
HPのブログにて発信していきたいと思います。

本日お知らせする第 1 号では、木造住宅に関する防火設計手法についてご紹介します。
ご一読頂けると幸いです。

◆防火ふぇ通信 第1号
防火ふぇ通信_第1号.pdf


※防火ふぇとは?
弊所HPブログ:“防火ふぇ” はじめます
http://teamsakura.sblo.jp/archives/20160315-1.html

弊所HPブログ: 防火ふぇVol.01
http://teamsakura.sblo.jp/article/174968858.html

なお、次回の防火ふぇ10月14日(金)の回は、ご好評につき定員に達しております。
ご希望の方は別途お問い合わせください(info@teamsakura.jp)。


平成28年9月15日
中秋の名月
加來千紘

posted by TEAM SAKURA at 15:25| 木造防火

2016年06月15日

防火ふぇin 京都 第2弾


来たる7月15日(金)に防火ふぇin京都の第二弾を開催します!!

防カフェ.jpg


少し前のブログで第1回目のご報告も兼ねて告知させて頂いていましたが、
まだ「14:30〜15:30」と「16:00〜17:00」の枠が空いていますので、
ご相談のある方、木造防火が気になる方、火育に興味のある方・・・などなど、
お申込をお待ちしております。

もちろん、以前にセミナー等で安井の話をお聞きになったことがあるが
もう一度詳しく聞きたい!! という方も、大歓迎です。


■■■ 防火ふぇ in 京都 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
日時:2016年7月15日(金)(予約制・全3組(先着順)) ※祇園祭宵々山の日です。
   A14:30〜15:30、B16:00〜17:00
場所:桜設計集団一級建築士事務所 京都事務所
   京都府京都市中京区二条通東洞院東入松屋町42-202 

相談料:無料(1組につき1時間程度)
相談内容:木造建築の防耐火に関することなんでも
  (防火、準耐火、耐火建築物、内装制限、火育、焼きスギ板のつくり方 等)
申込方法
メールまたはFAXにて、ご希望の参加時間(上記AまたはBからお選びください)を
ご記入の上、ご連絡下さい。
メールアドレス:info@teamsakura.jp / FAX:03-5365-4166

留意事項
・防火ふぇへのご参加は、事前にお申込ください。
・相談時間は、参加者1組につき1時間程度を目安とさせて頂きます。
・お申込は定員に達した時点で締め切らせて頂きます。予めご了承ください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

ぜひお気軽にお申し込みください。

平成28年6月15日
桜設計集団(防火チーム)
安井 昇 加來千紘

posted by TEAM SAKURA at 11:23| 木造防火

2016年04月25日

“防火ふぇin 代々木” 開催のお知らせ


先日の防火ふぇin京都の開催を受け、ぜひ東京でもとのご要望を頂きましたので、
“防火ふぇin 代々木” を新たに開催します。

防カフェ.jpg

▼▲▼ 防火ふぇ in代々木 ▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲
日時:2016年5月25日(水)(予約制・全3組(先着順))
   @13:30〜14:30、A15:00〜16:00、B16:30〜17:30
場所:桜設計集団一級建築士事務所 代々木事務所
   東京都渋谷区代々木2-21-10 代々木パレス501 

相談料:無料(1組につき1時間程度)
相談内容:木造建築の防耐火に関することなんでも
  (防火、準耐火、耐火建築物、内装制限、火育、焼きスギ板のつくり方 等)
申込方法/留意事項
メールまたはFAXにて、ご希望の参加時間(上記@〜Bからお選びください)を
ご記入の上、ご連絡下さい。
メールアドレス:info@teamsakura.jp / FAX:03-5365-4166

留意事項
・防火ふぇへのご参加は、事前にお申込ください。
・相談時間は、参加者1組につき1時間程度を目安とさせて頂きます。
・お申込は定員に達した時点で締め切らせて頂きます。予めご了承ください。
▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

セミナーや講習会等での木造防耐火の普及に留まらず、防火ふぇの場がみなさまの
お役にたてば幸いです。

平成28年4月25日
桜設計集団(防火チーム)
安井 昇 加來千紘

posted by TEAM SAKURA at 17:51| 木造防火

2016年04月20日

木造3階建て校舎の設計の手引


先日、文部科学省から「木の学校づくり−木造3階建て校舎の手引−」(「木造3階建て学校施設に係る手引作成検討会(主査:安井昇)」協力)がHPにて公表されました。

平成27年6月の建築基準法の改正に伴い、1時間準耐火構造での設計が可能となった木造3階建て校舎について、設計計画から納まりまで木造防耐火のポイントを図解でわかりやすくまとめています。

文部科学省「木の学校づくり−木造3階建て校舎の手引−」のダウンロード
http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/mokuzou/1369464.htm

建築関係者はもちろん、教育委員や学校関係者の方など、建築分野以外の方も理解しやすい内容になっていますので、ぜひ広くご活用ください。

1369436_01 2.jpg

平成28年4月20日
加來 千紘

posted by TEAM SAKURA at 08:55| 木造防火

2016年04月19日

防火ふぇVol.01


2016年の新しい取り組みとして、先日4月15日(金)に、京都事務所にて第1回目の
“防火ふぇ(防火+カフェ)=木造防耐火の無料相談会”を開催しました!!

IMGP1493.JPG


今回は、準防火地域内の木造3階建て長屋(準耐火構造での軒裏現し(面戸板45mm以上+野地板30mm以上:H12建告1358号)など)についてのご相談でした。
相談者からも、セミナーや講習会とは違い、実際の敷地条件や納まりを元に、木造防耐火の設計手法についてひとつずつ疑問を解消できた。とのコメントを頂きました!

次回の京都事務所での防火ふぇは、下記日程で開催します。

■■■ 防火ふぇ in京都 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
日時:2016年7月15日(金)(予約制・全3組(先着順)) ※祇園祭宵々山の日です。
   @13:00〜14:00、A14:30〜15:30、B16:00〜17:00
場所:桜設計集団一級建築士事務所 京都事務所
   京都府京都市中京区二条通東洞院東入松屋町42-202 

相談料:無料(1組につき1時間程度)
相談内容:木造建築の防耐火に関することなんでも
  (防火、準耐火、耐火建築物、内装制限、火育、焼きスギ板のつくり方 等)
申込方法
メールまたはFAXにて、ご希望の参加時間(上記@〜Bからお選びください)を
ご記入の上、ご連絡下さい。
メールアドレス:info@teamsakura.jp / FAX:03-5365-4166

留意事項
・防火ふぇへのご参加は、事前にお申込ください。
・相談時間は、参加者1組につき1時間程度を目安とさせて頂きます。
・お申込は定員に達した時点で締め切らせて頂きます。予めご了承ください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

以前にセミナーや講習会等で、安井の話をお聞きになったことがあるという方でも、
大歓迎です!! ぜひお気軽にお申し込みください。

平成28年4月19日
桜設計集団(防火チーム)
安井 昇 加來千紘

posted by TEAM SAKURA at 18:06| 木造防火

2016年03月15日

防火設計の無料相談会“ 防火ふぇ ”はじめます


防カフェ.jpg


桜設計集団では、日頃より木造建築の防耐火に関する設計・技術支援をしており、
近年の3階建て学校等の基準法の緩和を始め、多様化する木造防耐火の設計手段に
ついて、より多くの方に周知・理解して頂きたいとの想いから、

コーヒーでも飲みながら気軽にご相談頂ける場=防火ふぇ(防火+カフェ)

をはじめます!
記念すべき第1回目は、京都事務所にて開催します!!

■■■■■ 防火ふぇ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
日時:2016年4月15日(金)(予約制・全3組(先着順))
   @13:00〜14:00、A14:30〜15:30、B16:00〜17:00
場所:桜設計集団一級建築士事務所 京都事務所
   京都府京都市中京区二条通東洞院東入松屋町42-202 

相談料:無料(1組につき1時間)
相談内容:木造建築の防耐火に関することなんでも
    (防火、準耐火、耐火建築物、内装制限、火育、焼きスギ板のつくり方 等)

申込方法
メールまたはFAXにて、ご希望の参加時間(上記@〜Bからお選びください)
をご記入の上、ご連絡下さい。
メールアドレス:info@teamsakura.jp / FAX:03-5365-4166

留意事項
・防火ふぇへのご参加は、事前にお申込ください。
・相談時間は、参加者1組につき1時間とさせて頂きます。
・お申込は定員(3組)に達した時点で締め切らせて頂きます。予めご了承ください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

どのようなご相談でも結構ですので、お気軽にお申し込みください。
(次回の防火ふぇin京都は、7月15日(金)の開催を予定しています。)
(防火ふぇin東京も準備中です。)


平成28年3月15日
桜設計集団(防火チーム)
安井 昇 加來千紘
posted by TEAM SAKURA at 11:49| 木造防火

2015年06月05日

講習会のお知らせ

木造防耐火に関する講習会のお知らせです。
6月1日に改正された法令についても解説する予定ですので、奮ってご参加ください。

日程:2105年7月6日(月)14:00〜17:30
会場:吉野石膏株式会社虎ノ門ビル3F 大会議室
   東京都港区西新橋2-13-10

※詳細は日本建築士会のHPにて公開されております。
http://www.tokyokenchikushikai.or.jp/cal/seminar/seminar2015/879/

Bridge vol10「木耐火」.jpg
Bridge vol10「木耐火」.pdf
posted by TEAM SAKURA at 17:07| 木造防火

2010年01月25日

世界で一番やさしい木造3階建て

昨年後半に、3名で書き進めてきた「世界で一番やさしい木造3階建て」が、先週末に建築知識から出版されました。

mokusan.jpg


2階建てと3階建てで、設計上、大きく異なる点は

1.準防火地域・防火地域では防火規制が厳しくなる
2.構造計算が必須となる
3.建築確認に提出する書類が増え、審査に時間がかかる

などがあげられます。本書では、防火、構造、建築確認の3点に焦点をあてて、はじめて3階建てにチャレンジされる設計者・施工者でも理解してもらえるような内容となっています。

 都市部では3階建てが増加の傾向にありますが、世の中に3階建ての設計法に関する書籍は少ないのが現状です。
 都市部=防火地域指定があるので、建物を準耐火建築物、耐火建築物にする必要がでてきます。この時点で木造をあきらめたり、2階建てにしたりといろいろとあの手この手を考えることも少なくありません。ただ、現在の技術では、木造でもこれらの準耐火、耐火建築物をつくることができます。
 
 都市部の3階建てだから、木造はよくわからないのであきらめようと思わずに是非、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

防火の部分を安井が担当しましたので、是非、ご覧下さい。


平成22年1月25日
安井昇

posted by TEAM SAKURA at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造防火

2009年12月24日

建具屋さんがつくれる木製防火戸第一弾試験合格

NPO法人家づくりの会の方々と、21年度国土交通省地域木造市場活性化推進事業の補助金を獲得して、スギでできた片引き防火戸の開発を進めています。

その第一弾として、本日、はめ殺し窓の性能評価試験を実施し、無事合格しました。町の建具屋さんがつくれるスギとガラス(今回は網入りガラス)だけでできた防火戸です。今後、性能評価書の発行後、国土交通大臣認定申請し、大臣認定書を取得すれば、建築基準法の防火設備に位置づけられます。

準防火地域・防火地域の建物(耐火建築物、準耐火建築物、防火木造など)の延焼のおそれのある部分の外壁開口部に使うことができます。

従来、木製防火戸は、ある特定のメーカーが大臣認定を取得し、供給をしていましたが、今回の試みは、防火に関する教育を受けた町の建具屋さんがつくれる木製防火戸という点で、これまでの木製防火戸とは異なっています。どのような運用にするかは、家づくりの会の方が決められますが、広く一般に普及できる方法を検討していくことになると思います。

FIX.jpg

2月には片引き戸の性能評価試験を受ける予定で準備を進めています。どこにでもある木材と部品、簡単に入手できるガラスでつくれる木製防火戸の実用化を目指していきたいと思います。

平成21年12月24日
安井昇







posted by TEAM SAKURA at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造防火

2009年03月02日

スギの片引き防火戸実験

 今年度、設計者の集まりであるNPO家づくりの会(会長:川口通正氏、今回の事業の責任者:泉幸甫氏)が、申請者となり、国土交通省地域木造市場活性化推進事業の補助金を獲得して、スギでできた片引き防火戸の開発を進めています。まち場の普通の建具屋さんが少し教えてもらえれば、つくれる木製防火戸を目指しています。

このプロジェクトでは施工の立場の協力者として、チルチンびと「地域主義工務店」の会も加わっています。

 建築基準法によると、延焼のおそれのある部分の外壁開口部は、防火設備を設ける必要がありますが、この防火設備には20分間の炎を遮る性能(遮炎性)が必要となります。

これを、普通のスギとガラスと発泡材(火災時に建具の隙間を埋めるもの、昔のへび花火のようなもの)だけで、つくろうというものです。火災時にスギが約1mm/分程度しか燃え進まないことを利用して、目標性能を達成したいと考えています。

 これまで、7体の約1m四方の小型試験体を使った試行錯誤の実験の末に、20分間の遮炎性を確保できる仕様があきらかになったので、今日、約W1.8m×H2.2mの大きなサイズの片引き戸で加熱実験を行いました。

20分後.jpg
[20分加熱後の裏面の様子(火炎の貫通はなかった)]

結果は、屋外火災に対して、20分間、燃え抜けることなく、遮炎性を確保できました。

加熱後の様子.jpg
[20分加熱後の表面の様子(きれいに炭化層が形成されている)]

さて、今回は網入りガラスを使用しました。網入りガラスは、加熱開始後1-2分でバリバリとひびが入りますが、網があることでガラスが脱落することを防止し、その結果、火炎の貫通を防止します。

網入りガラス.jpg
[加熱中の網入りガラスの様子(ひびは入るが脱落しない)]

今後、建具サイズやガラスの仕様を変化させて、20分間の遮炎性を確保できる仕様を確認していく予定です。

来年度の国土交通省地域木造市場活性化推進事業(H21.3.6応募締め切り)にも応募して、継続して開発を続けたいと思っています。

平成21年3月2日 安井 昇





posted by TEAM SAKURA at 18:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造防火

2009年01月22日

木材あらわし屋根の準耐火試験に合格

 本日、数年前から、エムズ建築設計事務所の三澤康彦さん、岐阜県立森林文化アカデミーの三澤文子さん、協同組合レングスさんらと進めてきた、スギ3層パネル(Jパネル)による準耐火構造の屋根の性能評価試験に合格しました。

Jyane1
[試験体の加熱面の様子]

 これまで、準耐火構造といえば、せっこうボードを用いるのが一般的でしたが、今回、合格した仕様は、木材(スギなど)だけで構成されており、おそらく日本初だと思います。

 これで、準防火地域の3階建て住宅の屋根を室内から見て木材あらわしでできることになります。軒裏の準耐火構造には垂木・野地板あらわしの仕様がH12建設省告示第1358号に位置づけられているので、それと組み合わせれば、屋根全体を木材だけてつくれることとなります。このJパネルは水平剛床をとれるので、これを野地板に使えば、構造性能・防火性能をあわせもつことになります。

jyane2
[加熱中の試験体上部の様子]

 屋根の準耐火構造には、30分間、壊れない(非損傷性)ことと、炎が貫通しない(遮炎性)ことが求められます。木材は外部から加熱を受けると表面に炭化層(断熱材の役割をする)を形成するので、内部への熱の侵入が低減され、厚さがあるとなかなか燃え進みません。今回のような板材では0.8〜1.0mm/分であることが知られています。この性質を上手に利用して所定の防火性能を確保したわけです。

jyane3
[真剣に計測モニターをのぞき込む関係者(中央が三澤康彦さん)]

 今後、試験を実施した性能評価機関内の性能評価委員会での評価を経て、国土交通大臣認定の申請、大臣認定書の取得と進んで行く予定です。そうなれば、実際の建物に使えるようになります。

 今回の一連の防火技術開発は、三澤康彦さん、三澤文子さんを中心に、平成18-19年度国土交通省 住宅・建築関連先導技術開発助成事業費補助金「国産杉三層クロスパネルによる準耐火構造仕様の開発」、H20年度国土交通省 地域木造住宅市場活性化推進事業費補助金を獲得して、まずは様々な仕様での実験を繰り返し、今年度、大臣認定取得のための性能評価試験にこぎつけました。そのなかで、安井は防火技術指導など中心的な役割をさせていただきました。設計者と研究者がチームを組むことで、デザインと性能を同時にもつ新たな仕様を開発できる、よいモデルケースになったと思います。

 さて、来月は、木材あらわし床の準耐火構造の性能評価試験も控えています。これに合格すれば、準耐火建築物の床・屋根・軒裏・柱・はり(柱とはりは燃えしろ設計する)を木材あらわしとして設計できることになります。これまでできなかったことが、先駆的な取り組みによって実現可能となることで、混迷する木造住宅市場に少なからず刺激を与えることを祈りたいと思います。

平成21年1月22日 安井 昇






posted by TEAM SAKURA at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造防火

2009年01月08日

準防火地域で木造3階建を設計する

 東京23区の多くが準防火地域に指定されています。そこに3階建てを設計する場合、準耐火建築物にする必要があります。
 この準耐火建築物、柱やはりをせっこうボードですべて覆ってしまう方法が一般的ですが、少し工夫(=建築基準法を勉強する)をすれば柱やはりを見せたり、軒裏の垂木や野地板をあらわしたりすることができます。
 柱・はりをみせるには、燃えしろ設計という方法を使います。木材は燃えやすいと思っているかたも多いですが、断面がそこそこ大きいとなかなか燃え進まないという性質をもっています。だいたい1分あたり0.6(大断面のはりや柱)〜1.0mm(15mm厚程度の板材)で燃え進みます。
 準耐火構造では45分の火災に対する安全性を確保する必要があるので、この間に燃える分+αを考慮して、集成材やLVLでは35mm、製材では45mmを燃えしろ寸法とします。ここで、製材が集成材等よりも大きいのは、燃えやすいわけではなく、節などの欠点の影響が製材のほうが大きいので、ある意味の安全率をとっているということです。
 この燃えしろ寸法を除いた残りの断面で建物が壊れない(柱やはりの残った断面に生じる応力度が短期許容応力度を超えないことを確認する)ことを確認すればいいわけです。この考え方を使った建物を現在設計しています
建物全体の重量にもよりますが、主となる柱が150mm角、150×180mm角ぐらいで成立しそうです。この柱が1間(1820mm)から2間(3640mm)間隔で見えてくるのであれば、あまり田舎っぽくならず、すっきりとした印象になるのではないかと思います。
春頃には着工する予定にしていますので、要所要所で紹介したいと思います。

この建物は構造設計を東京大学腰原幹雄氏らに御願いしており、「防火と構造の両面からのアプローチで、法令の範囲で木材をあらわしとした準耐火建築物がここまでできますよ」という良い事例になるよう進めていますのでどうぞご期待ください。

なお、この建物の各主要構造部の防火的なディテール例が、先日発売のチルチンびと別冊23号に紹介されていますのでご興味のある方は一度ご覧下さい。



posted by TEAM SAKURA at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 木造防火